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ポリソムノグラフィー(PSG)検査のお勧め

SAS(Sleep Apnea Syndrome)って何?

SAS(Sleep Apnea Syndrome)とは睡眠時無呼吸症候群のことで、睡眠中に呼吸が止まったり、浅く・弱くなったりすることで様々な日常生活に障害を引き起こす疾患です。
また、最近ではこのSASが循環器疾患と深い関わりがあることが明らかになっています。
SASの多くが閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)と呼ばれるもので、上気道(空気の通り道)が何らかの原因で塞がる、または部分的に狭くなることで起こります。

なぜSASになるのか

睡眠中に上気道が塞がれてしまう原因はいくつか考えられます。

  • 肥満の為に首が太く、気道を塞いでしまう。
  • 舌が大きく、のどを塞いでしまう。
  • 軟口蓋と呼ばれる鼻とのどの境の部分が垂れ下がる。
  • 顎が小さい為、気道の断面積がもともと小さい。
  • 鼻の空気の通り道が曲がっている。
  • 扁桃が大きかったり、アデノイド(咽頭扁桃)がある。
  • 寝ているときにのどが塞がりやすい体質
  • 花粉症やアレルギーなどで、鼻が詰まりやすい。
  • アルコールの摂取により筋肉が緩んでのどが塞がりやすくなる。

一般的にSASは肥満の方の病気と思われがちですが、日本人のように顎が小さい場合は必ずしも肥満が原因でなく気道が塞がれてしまうことがあります。

SASを疑われる症状

以下の症状が見られるときはSASであることが疑われます。
おかしいな…と思ったらすぐに専門医で受診されることをお勧めします。

●いびきをかく

いびきは睡眠中に気道が狭くなり、そこを空気が通るときにのど(咽頭)が振動することによって生じる音です。つまりいびきをかくということは気道が狭くなっている証拠と言えます。

●寝汗をかく、寝相が悪い、何度もトイレに起きる

閉鎖型SASでは、無呼吸の間はいびきが止まり、その後あえぐような激しい呼吸や大きないびきで呼吸が再開するのが特徴です。あえぐような呼吸をすることによって、寝相が悪かったり寝汗をかいたりもします。また、夜中に何回もトイレに起きるといったこともあります。

●倦怠感があり、頭が重い

呼吸が止まっている間は、酸欠をおこしているような状態になります。そのため朝の起床時に頭が重いといったことも起こります。休むための睡眠が、無酸素運動をしているのと同じような状況になってしまっていますから、全身の倦怠感や不眠といったことにも陥ることがあります。

●日中やたらと眠い

SASの患者さんは、無呼吸から呼吸を再会させる度に脳が覚醒状態になるため睡眠が分断してしまいます。この脳の覚醒は本人には自覚がなく、深い眠りが得られなかったり、夢を良く見るといわれるレム睡眠が細切れになったりします。たとえ7時間ベッドで横になっていたとしても睡眠時間が不足しているのと同じ状態になってしまうのです。

上記8項目に対してそれぞれ

  • 決して眠くならない…0点
  • ときに眠くない  …1点
  • しばしば眠くなる …2点
  • 眠くなることが多い…3点

をつけ、その合計点で眠気を評価する。
一般的に合計点(ESSスコア)が10点以下が正常とされている。

SASの検査方法

SASかどうかを判定する検査の方法にはいくつかあります。

●問診・ESSテスト

問診やESSテストを行い、まずは簡単に昼間の眠気を評価します。

●スクリーニング検査(SpO2モニター検査)

問診やESSによりSASの疑いがある場合に実施します。
指にセンサーを装着し、就寝してデータを計測、後日データを医師が解析します。

●携帯型モニター検査

自宅で携帯型ポリグラフ法を用い、睡眠の状態を検査する方法です。
検査の翌日、病院に携帯型睡眠ポリグラフを返却し、検査記録データを医師がコンピュータで解析します。

●ポリソムノグラフィー(PSG)検査

睡眠時無呼吸検査(睡眠ポリグラフィー検査)は1泊2日の入院で行う検査方法で、眠っている間の睡眠の状態を詳しく調べる方法です。

当院ではこのPSG検査をお勧めしております。
検査についてのお問合せ・ご予約はお電話、またはこちらから。

ポリソムノグラフィー(PSG)検査とは

ポリソムノグラフィー(PolySomnoGraphy)はSASの検査方法の中でも最も精密な検査方法です。
脳波・心電図・筋電図・呼吸・血液中の酸素等、様々な生態信号を測定するためにセンサーを装着します。これにより無呼吸の程度、酸素の低下状態はもとより、睡眠の質(睡眠の深さ・分断の有無)、不整脈の有無、その他の睡眠障害の有無等について診断されます。

※この検査には健康保険が適応されます。必ず健康保険証をご持参ください

測定項目 評価内容
脳波 睡眠の深さ、覚醒
眼球運動 REM睡眠の有無
頤筋筋電図 REM睡眠の有無
呼吸 口・鼻の気流の有無
換気運動 胸部・腹部換気運動の検知
心電図 不整脈や心拍数変化
動脈血酸素飽和度 低酸素血症の把握
体位 仰臥位になるかどうか
下肢筋電図 むずむず足症候群の有無
●この検査は検査担当者が様々なセンサーを装着する必要があるために入院して行います。
検査スケジュール
18:00 入院・入浴・食事
19:00頃 検査機器装着
21:00頃 睡眠検査開始
翌朝覚醒時 検査終了  シャワー・朝食後退院
無呼吸低呼吸指数(AHI)について
一般的にSASの重症度はAHI(Apnea Hypopnea Index)で表すことが多く、これは1時間あたりの無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)の発生する回数を意味します。
AHIが5回以上認められ、日中の眠気等症状がある場合にSASと診断されます。

治療方法について

内科医師、耳鼻咽喉科医師、歯科口腔外科医師が各種検査を総合し、ライフスタイルやご希望も取り入れて治療法を選択します。

治療方法 治療内容 イメージ
CPAP(シーパップ)療法
Continuous Positive Airway Pressure
(継続的持続陽圧呼吸療法)

睡眠時無呼吸症候群の治療法の中で最も有効性が高く、安全かつ確実な方法です。睡眠中に鼻マスクから空気が一定圧で送り込まれ、睡眠中に緩んだのどの筋肉によってのどが塞がってしまうのを防ぎます。
送られてくるのは酸素ではなく空気です。

毎週土曜日の午前中にシーパップ療法を行っております。予約制となりますのでお気軽にお問合せください。
中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の方に健康保険が適応されます

歯科装具
(マウスピース)

無呼吸症の方に適応される歯科装具(マウスピース)は一般的に歯軋り防止用やスポーツ選手が使用されているものと異なり、下あごを前方に数ミリ突き出してかみ合わせるようにしたものです。これにより咽頭部が広がり、睡眠中にのどが狭窄/閉塞することを防ぎます。
平成16年4月より健康保険が適応になりました

耳鼻科手術

無呼吸の責任部位が明確な場合に適応されます。小児の睡眠時無呼吸症候群の大半は扁桃肥大が原因で、そのため扁桃摘出手術が有効です。全身麻酔で行う手術です。
成人の場合は、責任部位の特定が難しく、肥満を合併されているケースも多いため、手術適応には慎重な判断が必要です。

生活習慣改善

多くの方が肥満の傾向ですので、食事、アルコール、喫煙などの見直しが必要です。特にアルコールと体重増加はいびき、無呼吸を大幅に悪化させます。
禁煙をお勧めします。

SASは放置しておくと高血圧や脳卒中など循環器系の思わぬ合併症を引き起こす病気です。
「おかしいな」と思ったら迷わず専門医にご相談ください。
お問合せ・お申込み受付 電話:029-226-6555